テレビで松山が紹介されると、必ず「松山市 移住 支援金」と検索されます。ところが最初に知っておくべきなのは、松山市は愛媛県の移住支援金(最大100万円)の対象外だということです。
がっかりする話から始めましたが、松山市には市独自の補助金があります。そして、そのうち1つは申請のタイミングを間違えると1円ももらえません。ここまで書いているサイトはほとんどないので、順番に整理します。
まず結論:松山市で使える補助金の早見表
| 制度 | 金額 | 2026年度の状況 |
|---|---|---|
| 愛媛県の移住支援金 | 最大100万円+子ども加算 | 松山市は対象外 |
| まつやま・家族いらっしゃい事業補助金(引越し代) | 上限10万円+15歳未満の子1人5万円 | 受付中 |
| まつやま移住者定着支援事業補助金(住宅取得) | 上限40万円 | 2026年度分は受付終了 |
| まつやまお試し滞在補助金(下見の旅費) | 1人1万円/2人以上1万5千円 | 受付中 |
県の移住支援金100万円は、松山市では使えない
愛媛県は東京23区からの移住者に、単身60万円・2人以上の世帯100万円、さらに18歳未満の子ども1人につき最大100万円を加算する移住支援金を実施しています。金額だけ見ればかなり手厚い制度です。
ただし対象になるのは県内6市に限られます。
今治市・宇和島市・新居浜市・西条市・大洲市・四国中央市
県庁所在地であり県内人口の約4割が住む松山市は、この6市に入っていません。「愛媛県は100万円もらえる」という情報だけを見て松山市への移住を決めると、あとで話が違うことになります。
もし支援金100万円を最優先するなら、松山市から車で約40分の今治市が有力な選択肢です。しまなみ海道の玄関口で、移住先ランキングの常連でもあります。
松山市で実際に使える補助金
1. まつやま・家族いらっしゃい事業補助金(引越し代)
引越し業者に払った荷物の運搬費を補助してくれる制度です。
- 子育て世帯:上限10万円+15歳未満の子ども1人につき5万円加算
- 若者世帯(35歳未満の夫婦、または35歳未満の単身者):上限10万円
対象は愛媛県外から松山市に転入する人で、転入前に県外に3年以上続けて住んでいたことが条件です。子育て世帯は、転入年度の4月1日時点で18歳未満の子ども(お腹の中の子を含む)を養育していることが要件になります。
この制度の最大の落とし穴が申請のタイミングです。
申請は、転入の2週間前までに行う必要があります。転入前の申請がない場合、補助金は交付されません。
つまり、引っ越してから「そういえば補助金があったな」と気づいても手遅れです。松山への引越しを決めたら、部屋探しと同時に申請を進めてください。予算がなくなり次第終了する点も要注意です。
2. まつやま移住者定着支援事業補助金(住宅取得)— 2026年度は締切済み
県外からの子育て世帯が松山市で住宅を買うときの補助です。ただし2026年度予算での受付は既に終了しています(2026年8月14日時点)。
金額の推移も知っておいたほうがいいでしょう。
- 令和6年度:上限100万円(基本60万円+子ども加算)
- 令和8年度(2026年度):上限40万円(基本20万円+15歳未満の子2人以上で20万円加算)
**2年で6割減っています。**移住系の補助金は年度ごとに金額が変わり、縮小されることも珍しくありません。「去年は100万円だったから今年も」という前提で資金計画を立てるのは危険です。2027年度に申請を狙う場合は、年度初めの4月に金額と受付開始日を必ず確認してください。
3. まつやまお試し滞在補助金(下見の旅費)
移住を検討している人が松山に下見に来るときの交通費・宿泊費・市内の移動費を補助します。上限は1人なら1万円、2人以上なら1万5千円です。
こちらも条件があります。
- 愛媛県外に住んでいること(転勤・進学での移住は対象外)
- 申請前に「まつやま移住相談窓口」で相談を済ませていること
- 松山市内に1日以上宿泊すること
- 滞在開始日の3日前までに申請(先輩移住者に同席してほしい場合は14日前まで)
- 観光や、個人だけでの物件見学は対象外
「とりあえず行ってから考える」では対象になりません。先に相談窓口へ連絡するのが正しい順番です。
このほか、県外からの移住者向けに住宅の改修費を補助する「移住者住宅改修支援事業補助金」もあります。金額や要件は年度で変わるため、市の窓口で確認してください。
補助金以外に、松山市を選ぶ理由
補助金の総額だけで比べると、松山市は近隣の市に負けます。それでも松山が選ばれるのは、四国最大の都市でありながら生活コストが抑えられるという一点に尽きます。
- 人口約50万人。四国で最大の都市で、大学・総合病院・大型商業施設が揃う
- 松山空港から羽田まで約1時間30分。空港と市街地の距離が近い
- 市内電車(伊予鉄)が走っていて、車がなくても生活が成立する区域がある
- 道後温泉がある。日常的に温泉に入れる街は全国でも多くない
「地方には移りたいが、不便すぎるのは困る」という人にとって、松山市はちょうど中間にあります。買い物や医療で困りにくい規模を保ちながら、東京や大阪より住居費が安いためです。
一方で、市内でも郊外は車がないと厳しい地域があります。市内電車の沿線とそれ以外では生活が大きく変わるため、下見のときは必ず通勤・通学の経路を実際に移動して確かめてください。お試し滞在補助金は、まさにこれを確認するための制度です。
動くなら順番がある
松山市への移住を考えるなら、この順番が損をしません。
- まつやま移住相談窓口に相談する(お試し滞在補助金の前提条件)
- お試し滞在補助金を申請して下見に行く(滞在3日前までに申請)
- 住む場所と仕事を決める
- 転入の2週間前までに「家族いらっしゃい事業補助金」を申請する
- 引っ越す
特に4番です。引越し業者を決めて見積もりを取るタイミングと、補助金の申請期限が重なります。補助の対象になるのは引越し業者に払った運搬費なので、領収書が出る正規の依頼にしておくことも忘れないでください。